公取委/国際航空貨物カルテルで、3社の審判請求を棄却

2011年10月19日 

公正取引委員会は10月19日、西日本鉄道、バンテック、ケイラインロジスティックスに対し、2010年7月3日から行っていた審判請求について10月17日、3社にいずれも棄却する審決を行った。

審判の概要は、3社が他の事業者と共同して、国際航空貨物利用運送業務の運賃及び料金について、荷主向け燃油サーチャージ等を荷主に対し新たに請求する旨を合意するで、公共の利益に反して、国際航空貨物利用運送業務の取引での競争を実質的に制限していた。

違反行為は、2004年11月12日から2007年11月11日までで、課徴金の額は、西鉄が8億5196万円、バンテックが4億1789万円、ケイラインが3億2078万円。

争点は、合意の内容と成否、合意は業務における競争を実質的に制限するか否か、排除措置命令の必要性等だった。

争点に対する判断内容は、荷主向け燃油サーチャージ合意の内容は、航空会社から燃油サーチャージとして請求を受けることとなる金額に相当する金額を荷主向け燃油サーチャージの額として決定し、その金額を荷主に対して請求することで、請求するに当たっては、請求する金額を決定することが前提となっていたと指摘。

合意の趣旨は、航空会社が定めた燃油サーチャージ相当額と同額を荷主向け燃油サーチャージとして請求し、新たに発生した費用(燃油サーチャージ相当額)を自社で負担することなく実際の役務の利用者である荷主に転嫁することにあると解釈できる。

合意内容は、料金のそれぞれについて金額を決定したもので、独占禁止法第2条第6項の「対価を決定」するものに他ならず、不当な取引制限に該当する。

2002年9月18日の会議で、違反行為者12社間で荷主向け燃油サーチャージ合意が成立し、日本通運とDHLグローバルフォワーディングジャパンは、遅くとも同年11月8日の会議までに、荷主向け燃油サーチャージ合意に参加したものと認めることができた。

さらに、違反行為者14社は、長年にわたり、繰り返し国際部会役員会の会合を開催し、本来、競争相手に対して秘密にするはずの、自社の取引先との交渉内容、交渉経過と交渉結果等の情報を披れきし合い、取引先に対する競合他社の行動についての情報を入手してその動向を把握し、その上で各社とも取引先に対して同一の行動を取っていた。

このようなことは、この業界において自由な競争が行われていたとすれば、到底あり得ないものというほかなく、これらの事情は、14社間に荷主向け燃油サーチャージ合意が成立していたことを強く裏付けるものだった。

14社の航空貨物業務における貨物量の合計は、日本で最大で75%を占めていた。このような市場占有率にある14社によって、不当な取引制限に当たる合意が成立すれば、本件業務の取引分野における競争を実質的に制限することとなることは明らかとした。

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