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光英システム/ディジタル式運行記録計の技術基準の見直し案に意見書提出

2005年04月28日/未分類

光英システム(株)は4月24日、 国土交通省自動車交通局技術安全部技術企画課国際業務室に「ディジタル式運行記録計の技術基準の見直し案」に対する意見書を提出した。

国土交通省が4月22日に発表したディジタル式運行記録計の技術基準の見直し案にパブリックコメントを募集したのを受けて提出したもの。

ディジタル式運行記録計の技術基準の見直し案は下記アドレスを参照。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/09/090422/01.pdf

意見書の内容
反対理由は下記の4点。
(1)トラック事業者とトラックドライバーを犯罪者のように扱っている。
(2)運行記録計の改竄は簡単にできるので型式認定制度の意味がない。
(3)ドライバーの安全を担保する新しい技術を利用し難い。
(4)型式認定制度は運行記録計を高価な装置にしてしまう。

詳細な意見内容
(1)トラック事業者とトラックドライバーを犯罪者のように扱っている
今般の見直し案と現行の技術基準は、トラック事業者とトラックドライバーを法を遵守しない犯罪者のように扱い、運行記録計に365日・1分間隔で平均速度を記録する、24時間・0.5秒間隔で・速度・距離・時間を記録することを義務付け、警察や国交省の行政監査を簡単に行えるよう になっている。

法を遵守しないトラック事業者やトラックドライバーは1%以下なのに全ての事業者に国が認定した機器で監視する制度になっている。

どうしてトラック事業者とトラックドライバーだけが監視されなくてはならないのか? 交通事故は年間120万件起きている、トラック事業者が起こした事故は数パーセントに過ぎない。スピード違反者を取り締まるのはスピードガンやパトカーでいいはず。

労働省で勤務時間や休憩時間を規制している職種は沢山あります。勤務時間を労働省で型式認定したタイムレコーダで計測を義務付けてはいないのに、トラック事業者だけ特殊扱いしているのは何故でしょうか。

アナタコの技術基準を作成した昭和30年代の初期の技術基準を現代まで延長するのはやめていただきたい。速度・時間・距離はトラックに装備されているスピードメータの値を民間が開発した安価で正確な記録計で保存を義務付ければ充分です。

国が型式認定制度を廃止ししても行政監査に支障はきたさないと思われます。認定制度があるため、高価なデジタルタコグラフを経営難に苦しむ運送会社が買わなくてはなりません。

今回の見直し案でも現行のデジタコより安く販売することは出来ないでしょう。型式認定制度は役所への書類提出や、使用部品の変更、内部プログラム変更の度に、審査をしていただかなくてはならず、其のたびに費用がかかります。

これを避けようとすれば、型式認定された運行記録計と運送会社が必要とする運行データ(アイドリング時間・急減速・急発進・燃料消費量・店着時間・庫内温度・ETCデータ・GPS位置情報等)とを別のCPUで処理しなくてはなりません。

ITSの発達によりドライバーの事故を予防するための装置なども運行記録計にデータを集約することが要望されています。

このためCPUを2個使用することになり高価になってしまい、そのためデジタコが普及しない結果を招いている。

国交省は走行の安全をサポートしたり、CO2の削減をサポートする機器が自由に開発できる制度にすべきと考えます。現在のアナタコ・デジタル運行記録計の型式認定制度を廃止すべきと考えます。

(2)運行記録計の改竄は簡単にできるので型式認定制度の意味がない。
昭和30年代のトラックは機械式の速度センサーが付いていたが、最近のトラックは全て速度センサーがパルス式です。速度センサーがパルス式となり、メーカにより車軸が1回転するごとに25パルス出力する物から20、18、16、8、4パルスなど10種類以上あります。

またパルス式は車検時にスピードメータを基準値に調整するために、パルス発生器の後にパルス整合器が付いています。

このパルス整合器を調整すれば時速100Kmで走行していても、80Kmで走行していたように運行記録に記憶させることは素人でも簡単にできます。

今回の見直し案は走行センサーを規制していません。現行のアナタコ、デジタコ、見直し案のデジタコもい くら型式認定制度を厳しくして、審査を厳しくしても入力されるパルスが簡単に変更できる構造になっている。

型式認定制度の本来の目的である行政監査に使用できる改竄されていないデータ保存して、トラック事業者と トラックドライバーの抑止効果により交通事故を減少させることはできない。

逆に型式認定制度の運行記録計を入れて、入力パルスを変更しておけば誰もこの不正を見破ることはできない。現代の自動車はコンピュータ制御で動いているので、データを改竄されない装置はトラックの製造時にメーカが封印して作成するしか手法はないように思われます。

今回の見直し案の運行記録計および現行のアナタコ・デジタコとも改竄を防止する手立てがないし、改竄を発見する手立てもないように思われます。

現実にはこのような事実を知らない監査官が誤った監査をしてしまう恐れが充分にあります。優良事業所だと判断された事業所がパルス入力部分を改竄していた事実は弊社も何件か経験しています。

現代はデジタル時代ですから、秋葉原の電気街に行けば3000円も出せば、パルス変換器はいくらでも手にも入ります。トラックがコンピュータの制御で動くようになった現代は改竄をされないデータを担保することは、後付の運行記録計では不可能です。この現実からも運行記録計の型式認定制度は廃止すべきと思います。

(3)ドライバーの安全を担保する新しい技術を利用し難い
交通事故はスピードの出過ぎ、疲労だけでなくドライバーの不注意、車間距離の不適切さ、急ハンドル、わき見運転、居眠り運転、急ブレーキ、急発進などいろいろな要素が複合しています。

事故を減少させるためには、事故につながる行為をしたときに、いち早くドライバーに警告を0.1秒以下の速さで知らせる必要があります。

最近の自動車のスリップ防止のABS装置も0.1秒以下で制御されています。ABSはデジタコの車軸速度ではなく、車輪速度で制御しています。

車軸速度はスリップしたときは、正しい速度を表示していませんので、事故の分析には使用出来ない筈です。

時速80kmで走行している車は1秒で22m、0.5秒で11m走りますから、11m間隔のデータを見て、事故の分析が出来るのでしょうか、事故の分析はタイヤの跡や衝撃の強さなどからしか分析できないと考えます。

事故をいくら精緻に分析しても、再発防止には役立たないように思われます。

前述したようにスピードを正確に改竄されずに記録できないデジタコの型式指定制度はやめて、可能な限り運行記録計メーカにデータを残すように依頼する程度でよいと思います。

(4)型式認定制度は運行記録計を高価な装置にしてしまう。
現行のデジタコが高価なのは、規定された部品が高価なだけではありません。現代の運行記録計はコンピュータを搭載して作成されています。

役所が要求している、速度・距離・時間の法定3要素のデータを収集するのは 簡単ですが、ユーザからの要求は、急加速・急減速・アイドリング・燃費・ETCデータ・急ハンドル・店着時間・誤配防止・就業時間・位置情報・庫内温度・冷凍機の設定温度・運行記録計の故障情報・トレイサビリティ・ ICタグデータ等々、ユーザによって様々である。

ユーザからしてみれば、運行の全てのデータを運行記録計に集めて管理したい。次々に開発されるセンサー、通信方式、ITS技術、などに対応する必要がある。型式認定制度があると毎回、型式認定審査を受けることになり、一体型の運行記録計は作成できない。

このために型式認定された運行記録計と拡張機能記録計の2つの箱を作成することになり、高価な運行記録計となってしまう。荷主と運送会社はCO2の削減も実施しなくてはならない。

そのためには高機能のデジタコを装備して、効率と精度の高い配送計画を作成する必要がある。このためにも型式認定制度は高機能のデジタコをタイムリーの開発できなくするので反対します。

光英システム(株)
代表取締役 葦津 嘉雄(アシヅ ヨシオ)
電話03-5389-3433
ashizu@kouei.co.jp
http://www.kouei.co.jp

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