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DHL/免振コンテナを開発、運用開始

2017年02月21日/IT・機器

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DHLサプライチェーンは2月21日、精密機器等の輸送品質向上を目指して、衝撃・振動吸収性に優れた包装資材 「球状サスペンション機能付き免振コンテナ」を開発したと発表した。

<球状サスペンション機能付き免振コンテナ>
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このコンテナをビアメカニクスの電子部品加工装置での修理サービスパーツ輸送用に適用開始した。

「球状サスペンション機能付き免振コンテナ」は、輸送時の衝撃や振動を最小限に抑えながら、Reduce(減量化)、Reuse(再使用化)、Recycle(リサイクル化)の3Rと呼ばれる環境負荷低減を推進するために、耐久性や作業効率、汎用性、そして積載効率に配慮し、DHLサプライチェーンが開発した包装資材。

落下・衝撃周波数5Hz以上から減衰でき、従来品と比較して製品に加わる衝撃加速度(G値)を最大40%低減することが可能。

繰り返し使用可能な高耐久性(100万回以上のストローク試験を実施済み)および高耐候性(温湿度による変化なし)を有し、製品特性に応じて固有振動数を容易に調整できることが特徴。

このコンテナを繰り返し使用することにより、包装資材コストとショックウォッチ(衝撃加速度測定用ラベル)購入コストの削減のみならず、CO2排出量を約75%削減することができ、顧客のCSR(企業の社会的責任)活動の促進につながる。

「球状サスペンション機能付き免振コンテナ」の主要技術である球状サスペンションは、松田技術研究所が開発・特許取得したもの。

サスペンションを複数の長尺状弾性片同士を円弧状に撓んだ状態となるように両極部で相互に締め付け固定することで、球状に形成されているばね部が荷重を受けて全方向に変位し、温湿度や気圧変化のある環境下でも安定的に使用でき、衝撃・振動を効率よく緩衝することが可能。

従来のサスペンションは、コイルばねが軸方向にのみ変形するため、荷重の分散が起き難く、緩衝が不十分になりやすいという欠点があった。

また、ゴム等のエラストマの塊や袋状に形成されたサスペンションも温度や気圧の変化が激しい環境下で体積変化を起こし破壊する恐れがあった。

DHLサプライチェーンのギャビン マードック社長は、「球状サスペンション機能付き免振コンテナが遂に実用化に至り、DHLが提供するパッケージソリューションを拡充できたこと、加えてお取引が3年目を迎えるビアメカニクスとともにこのコンテナを導入開始できることを大変喜ばしく思う。DHLサプライチェーンは、今後も倉庫管理や輸配送などの物流業務のさらなるサービスの向上に努めていくとともに、輸送品質や環境配慮をはじめとした付加価値を加えた包括的なサプライチェーンサービスの充実を図り、顧客の持続可能な事業拡大を支援していく」と語っている。

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