DHLエクスプレスは11月7日、シンガポール・チャンギ空港のチャンギ航空貨物センター(CAC)内に、8500万ユーロを投資し24時間体制のエクスプレスハブ施設となる「DHL南アジアハブ」を開設したと発表した。
施設面積2万3600m2の新施設は、南アジアで業界初となる完全自動化方式のエクスプレス貨物仕分け処理システムを備え、オペレーション能力や効率性の向上により、域内でのよりスピーディーな輸送を実現する。
DHLが取り扱う貨物量は堅調な伸びを記録しており、とりわけアジア太平洋地区南部でその傾向が顕著に見られたため、この新施設はまたとないタイミングでオープンすることになる。
2012年から2015年まで1日あたり平均貨物件数を見ると、オセアニア向けが約50%、南アジア向けが30%、東南アジア向けは25%増加している。以前のハブより施設面積が33%拡張した新施設では、拡充した処理能力と生産性で、 増加傾向にある国内外向け貨物を取り扱う。
南アジアハブは、チャンギ空港グループが運営管理する24時間自由貿易地域にあるチャンギ航空貨物センター(CAC)内に位置しているため、貨物機と施設間の貨物処理がよりスムーズに1時間以内の貨物の発送や積み替えを実施できるようになった。
南アジアハブの1時間あたり貨物・書類処理件数は最大2万4000件、処理許容量は最大628トン以上。旧施設の手動オペレーションと比較した場合、新施設の仕分け処理能力は3倍以上、処理スピードは6倍の速さになる。
効率性の向上は、完全自動システムの仕分けスピードと精度、バーコード読み取りを加速する多次元トンネルスキャナー、および旧システムと比べて最大3倍の速度で貨物をスキャンできる自動X線検査機により実現する。
さらに、この施設は太陽光エネルギーを動力とし、ハブが必要とする全エネルギー消費量の約20%を太陽光発電によってまかなう。またこれら自動システムによる生産性向上として、従業員は、発送遅延につながる原因を未然に防ぐリスク回避や危機管理、追加のセキュリティ検査といったより高付加価値の業務に集中して取り組めるようになる。