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運輸労連/4月の残業時間101時間以上3.7%、過労死認定ライン超える

2016年10月12日/調査・統計

運輸労連は10月11日、トラックドライバー8186名の協力による「トラックドライバーアンケート2016」を発表した。

<4月の残業時間>
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労働時間では、4月の残業時間は「20時間まで」「60時間まで」を合わせて全体で60.1%となっており、昨年より0.3ポイント増加している。一方、「100時間まで」が12.6%で、昨年より1.4ポイント減少したが、「101時間以上」が3.7%で、昨年同様となっており、依然として長時間労働の実態で、業務での発症との関連が強い過労死の認定ラインを超えている。

地域別の「101時間以上」は、関東(4.5%)、東海(5.2%)、近畿5.5%)で高くなっている。労働組合の有無で「101時間以上」は、「組合に入っている」が2.4%、「組合はない」が5.2%となっている。

<残業時間と賃金未払い>
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「実際の残業時間で支給されている」は52.9%で、昨年より1.0ポイント増加、「残業はしても支給されない」は14.2%でこれも昨年より1.0ポイント増加している。

地域別で「残業はしても支給されない」は、東海(19.1%)、近畿(17.6%)、四国(16.8%)が他の地域より高い数値となっている。

<連続運転時間>
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運行実態では、連続運転時間の基準内4時間以内は72.7%で、昨年より1.6ポイント減少しているが、約25%が改善基準告示違反となっている。7時間以上は8.2%で、1.2ポイント増加している。

地域別では、「5時間以上」の連続運転時間は沖縄が30.6%、次いで中国が29.7%となっている。保有台数別では、「30台以下」で27.7%で、1.8ポイント増加している。「101台以上」では18.7%となっており、格差が生じている。

<過積載運行指示の有無>
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過積載運行指示の有無では、過積載の「指示はない」は83.7%となっている。「ときどき指示される」「ひんぱんに指示される」は合わせて12.0%となっており、昨年より4.1ポイント減少している。

「ときどき指示される」と回答した中で、「会社から」が25.7%、「荷主から」が20.8%となっている。「ひんぱんに指示される」と回答した中で、「会社から」が7.2%、「荷主から」が3.1%となっている。

<回答運転者の年齢>
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なお、回答者の年齢の内訳は、「30歳代」が21.6%で昨年より1.4ポイント減少している一方、「40歳代」が37.6%で1.7ポイント増加、「50歳代」が26.4%で0.8ポイント増加、「60歳以上」が7.5%で0.2ポイント増加しており、ドライバーの高齢化が更に進んでいる。

調査概要は、労働時間、運航の実態、安全教育、労働条件と職場の変化、資料編で構成され、2016年5月12日の調査で、運輸労連加盟組合以外の人も対象としている。

■トラックドライバーアンケート2016
http://www.unyuroren.or.jp/home/report/driver/2016/index.html

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