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GLP/1~6月の開発着手7棟、竣工1棟、投資額1300億円

2016年07月28日/生産

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GLPは7月28日、2016年上半期までの開発状況と今後の展開について発表した。

2015年中に竣工した物件は全国で計8棟。2016年1月~6月まででは、竣工が1棟(9万m2)、着手が7棟(61万m2)、合計8棟となり、投資額は1300億円となる。

開発着手するのは、GLP吹田、GLP枚方III、GLP神戸西II、GLP小牧II、GLP川島、GLP五霞、GLP柏IIで、竣工しているのはGLP厚木II。

首都圏で目立つのは圏央道沿いの立地。整備が進むにつれ圏央道沿いの土地案件の紹介件数も圏央道開通情報公表前の2009年末を境に現在では1.8倍と増加している。

現在、竣工、着工含めGLP川島、GLP狭山日高II、GLP狭山日高I、GLP厚木、GLP五霞、GLP厚木II、GLP座間の計7棟が圏央道沿いにある。

圏央道は茨城県の一部が2016年度開通予定。道路がつながるにつれて、需要も増し、竣工物件ではGLP厚木IIが6月竣工で、すでに満床となるなど、その他の物件も100%近いという。

関西圏では、3棟(35万m2)を新規開発。これまでは湾岸エリアが多かったが、家電メーカーの倉庫跡や工場跡の土地が供給されたことから、内陸部での開発が本格的となった。今後も内陸エリアと内陸エリアにバランスよく投資する予定だ。

中部圏では、新規開発着手が1棟(4万m2)、竣工物件が4棟(12万m2)だ。開発中のGLP小牧IIは、中部圏の物流適地と呼ばれる小牧市に立地。土地代と賃料の兼ね合いを取りながら、今後も厳選して開発するとしている。

今後の展開では、ハード面の付加価値、ソフト面の付加価値をサービスとして全面的に提案していくとしている。この背景には、労働力人口の減少、コスト削減の要望、賑済寺BCP対策の3つの母音とがある。

ハード面の付加価値では、まず「業態・ニーズに合わせた施設設計」を図る。さまざまな荷物の取り扱いが可能な多機能設計、自動化に適した区画設計、スピーディーな荷捌きが可能な区画設計、冷凍冷蔵倉庫に適したスペック設計など、より顧客の要望に沿ったフレキシビリティな施設設計を図る。

また、労働力確保のために、快適な労働環境を実現するアメニティ充実を図る。ラウンジやコンビニエンスストアなどは当然とする。トイレは特に女性の要望に沿った清潔で快適な空間を目指す。デジタル情報掲示板は、トラックドライバーに周辺の道路の交通情報を知らせたり、災害時の緊急避難路の案内など多用途に使用する予定だ。

労働環境改善のため、大型空調ファンの設置、BCP強化のためにトラック・建物用の燃料備蓄タンク、コスト削減のため低廉なガソリンスタンドの設置などを目指す。

ソフト面の付加価値では、物流人材派遣大手の企業と協業し、人材をシェアして労働力を確保。物流中古品売買の企業と手を結び、GLP入居者(予定者含む)に市場価格の5%~15%安価に販売する。

また、庫内オペレーション以外の業務(総務業務)、例えば貨物運送業申請、倉庫業申請、入居工事・変更工事、保税蔵置申請などを、専門知識を持ったGLPの担当者がサポートする、としている。

このような付加価値戦略を総動員したのが、9月に着工するGLP流山の3棟になる。GLP流山Ⅰが2018年2月竣工予定、GLP流山IIが2018年5月竣工予定、GLP流山IIIが2018年内竣工予定だ。

<GLP流山の3棟>
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<GLPの帖佐義之社長>
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<首都圏大型マルチテナント型物流施設(CBRE調べ)>
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なお、GLPの帖佐義之社長が物流施設マーケットの現状と今後の動向について、説明した。

「現在、供給過多から空室率の増加が問題となっているが、CBREの調査によると、2016年のQ2では空室率は8.9%ながら、これは竣工時点の数字とし、竣工1年以上だと、2%程度に低下する。一時的に需給バランスが崩れたにせよ、1年程度経つと、需給がひっ迫している様子がわかる」と説明する。

「私どもでは、竣工1年以上の空室率の状況を重視している。2%の空室率は極めて低い数字だ。竣工1年以上の時点で満床に近い状況なら、それは安定稼働物件という位置づけにしている」と話す。

マーケットのテナント動向では新たな動きが顕著になっている。2014年までは、テナントは78%が3PL企業でそれ以外が22%の割合。それが2016年には、3PL企業が56%でそれ以外が44%となっている。

「これは、荷主の直接賃貸が増えています。これまでは、3PL企業に物流全てを一つのパッケージとして任せていたが、荷主サイドの物流に対する意識が変わってきたことの現れ。Eコマース企業やアパレル企業の増加で、物流を新たなサービスに結び付けられるのではと考え、より物流の全体を把握するため直接賃貸する企業が増えてきた」と帖佐氏は分析する。

Eコマース企業の割合は、2014年時点では5%だったのが、2016年では15%まで拡大している。アパレル企業も10%から20%へ倍増している。今後もこの傾向は継続するとみている。

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