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DeNA、ヤマト運輸/自動運転の実用実験、来年3月開始

2016年07月20日/SCM・経営

ディー・エヌ・エー(DeNA)とヤマト運輸は、自動運転を活用した次世代物流サービスの開発を目指し、実用実験の実施に向けた計画策定に合意したと発表した。

<使用車両イメージ>
20160720yamato01 500x259 - DeNA、ヤマト運輸/自動運転の実用実験、来年3月開始

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<ロボネコヤマトプロジェクトのロゴ>
20160720yamato03 500x389 - DeNA、ヤマト運輸/自動運転の実用実験、来年3月開始

実用実験のプロジェクト名は「ロボネコヤマト」とし、実施期間は2017年3月からの1年間を予定している。実施未定要項については具体策が煮詰まり次第、年内に再度発表する。

「ロボネコヤマト」プロジェクトでは、DeNAのIT技術を活用した自動運転関連のサービス設計ノウハウとヤマト運輸の物流ネットワークを組み合わせることで、より利便性が高く、自由な生活スタイルを実現する物流サービスを目指す。

両社の取り組みは、今後さまざまな事業者の参画も視野に入れたオープンなプロジェクトとして進める。

実施場所は国家戦略特区のいずれかの地域を検討中。

実用試験の内容は、まずオンデマンド配送サービスと買物代行サービスの2つのサービスから始める。

オンデマンド配送サービスは、顧客が「望むときに、望む場所で、荷物を受け取ることができるサービス。スマートフォンで荷物の現在地や到着予定時刻の確認も可能となるよう、共働き夫婦や一人暮らしの人を主な利用者と考えている。

買物代行サービスは、地域の複数商店の商品をインターネット上で購入し、「オンデマンド配送サービス」にて一括で運んでもらうことが出来るようにする。小さな子どもを持つ家庭やお年寄りの方を主な利用者と考えている。

実用実験では、顧客のニーズに応えられているかどうかの検証と、サービス利用での顧客からの細かな要望などの収集を行う。また、実験期間内で、一部自動運転を導入したサービスなどを展開予定だ。

実験に使用する車両は、有人運転からはじめ、顧客のニーズや新たな課題の発掘に努める。当初の使用車両イメージはトラックではなくもう少し小さな車両として発表されたが、自動運転導入時の車両は未定となっている。

<左がDeNAの守安誠一社長兼CEO、右がヤマト運輸の長尾裕社長>
20160720yamato1 500x294 - DeNA、ヤマト運輸/自動運転の実用実験、来年3月開始

DeNAの守安誠一社長兼CEOは「DeNAはインターネット+AIを強化し、モビリティ―サービスプロバイダーのレイヤーを主体に担っていく方針だ。現在、各領域ごとに提携パートナーと連携し、事業を展開予定。公道旅客では「Robot Taxi」をZMPと、私道旅客では「ロボットシャトル」として、EASY MILE、LiGiERと連携、そして運送領域では「ロボネコヤマト」としてヤマト運輸と連携、自動運転技術、車両製造はまだ未定。モビリティ―サービスプロバイダーでは、クラウドシステム(車輌、決済、車両管制など)、ユーザーレイヤー(配車依頼、支払いなど)、オペレーターレイヤー(電話対応、予約管理、危機対応など)、車両レイヤー(ルート設定、車両正業システム連携など)を組み合わせてパッケージ化してエンドユーザーに届けたいと考えている」と話した。

ヤマト運輸の長尾裕社長は「宅急便は2016年1月で40周年を迎えた。開始以来、進化の連続だったが、今日、また一歩進化した。この進化は送る側の進化と受け取る側の進化が相まったもの。我々は、ラストワンマイルのオンデマンド化を目指している。まずは、エニータイムデリバリーとして、時間を問わず届けることができ、欲しいタイミングで確実に受け取れること、そしてショッピングオンデマンドとして、地域の複数の店舗の商品をインターネットで購入し、まとめて届ける。これを実際に実用実験するということ。お互いのテクノロジーを持ち寄り、新たなイノベーションを起こしていきたい」と話した。

なお、DeNA は、インターネットサービスの分野において培ったノウハウと自動運転技術とを連携させ、新しい道路交通サービスの開発や、私有地向けの移動サービスの提供を進めている。

ヤマト運輸は、ライフスタイルの変化などにより受け取りのニーズが多様化していることを受け、顧客が望む時に望む場所で受け取れるよう、コンビニエンスストアやオープン型宅配ロッカーなどへ受け取り場所を拡大したり、クロネコメンバーズを活用した利便性の拡大を進めてきた。

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