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英国EU離脱/英国進出の日本企業1380社、運輸・通信業63社、影響を懸念

2016年06月24日/調査・統計

帝国データバンクは6月24日、英国の欧州連合(EU)からの離脱(Brexit)の是非を問う国民投票で英国は離脱を選択したが、英国に進出している日本企業を初めて調査・分析し発表した。

それによると、英国に進出している日本企業の総数は1380社。そのうち、「運輸・通信業」の日本企業は63社(構成比4.6%)となっており、最も多いのが製造業の558社(40.4%)、卸売業258社(18.7%)、サービス業234社(17.0%)となっている。

1380社を年商規模別に見ると、最も多かったのは「100億円以上1000億円未満」の 407社(29.5%)。「1000億円以上」314社、(22.8%)とともに、大企業の進出がより鮮明であることが判明した。

なお、リーマン・ショック級と呼ばれるBrexitは欧州にとどまらず、日本においても「円高・株安」として現れることが見込まれ、英国進出企業にも大きな影響をもたらすとしている。

帝国データバンクでは、今後の影響について次のように分析している。

イギリスは現在EUへ加盟することでEU単一市場への参入といった恩恵を享受している。

しかし、今後イギリスは、EU諸国との輸出入関税の見直しのほか、低コストでEU域内に自由な金融サービスを提供できる「パスポート」制度の枠組みから外れ、イギリスに拠点を置く金融機関はその権利を失うことになる。

イギリスへ進出している日本企業の多くは、同国を欧州進出の拠点としているほか、「パスポート」制度による恩恵を受けるための金融拠点として位置付けているため、他のEU加盟国への拠点移転や資本の引き揚げ、欧州撤退も含めた対応を迫られる恐れがある。

現在交渉が進む「日EU経済連携協定」についても、EUの混乱にともなう合意の遅れは避けられず、対EU貿易やEU市場参入などにおいて、広く日本企業へ影響が出ることが懸念される。

今回のEU離脱により、欧州を中心に世界経済全体が大きく変化する可能性があり、イギリスへ進出している日本企業をはじめ、多くの企業が「Brexit」への対応を余儀なくされる。

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