UPSが運営するUPS基金は、血液やワクチンなどの救命医薬品を世界各地への配達方法のドローン利用に向け、米国カリフォルニア州に本拠を置くロボット技術会社のジップラインとワクチン・アライアンスのGaviとパートナーシップを締結したと発表した。
緊急医療品が、輸送時に腐敗したり、必要とする人々に届けられなかったりする事例は、数多く発生している。
今回締結した官民パートナーシップは、UPSの世界的なロジスティクスの専門知識とコールドチェーン、ヘルスケア輸送と、ジップラインの全米規模のドローン配達ネットワーク、そしてGaviの発展途上国における救命・健康保護分野に注力した活動経験を結びつけるもの。
UPS基金は、この活動をルワンダで初めて実施するに当たり、80万ドルの支援金を拠出する。
ルワンダ政府は今年後半からジップラインのドローンの使用を開始する予定。これにより同国西部に点在する21か所の輸血施設に救命用血液を1日最大150回まで配達可能になる。
世界保健機関(WHO)によると、アフリカは妊婦が分娩後の出血で死亡する確率が世界で最も高く、アフリカの女性にとって救命用血液による輸血を利用可能にすることが極めて重要になっている。
ルワンダ国内におけるドローン・ネットワークは、当初は輸血用血液の配達に注力されるが、後にワクチンや、HIV、エイズ、マラリア、結核などの治療薬、さらにその他の重要な救命医薬品への対象拡大が計画されている。
ルワンダでドローン配達ネットワークが稼働することにより、今後3年間で数千人の命が救われる見込みであり、他の国のモデルとなりえるという。