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日本気象協会/天気予報で需要予測の高度で、食品ロス削減に成功

2016年04月25日/SCM・経営

日本気象協会は4月25日、天気予報で物流を変える取り組みとして「需要予測の精度向上による食品ロス削減と省エネ物流プロジェクト」を実施しているが、その成果を発表した。

2年目となる主な成果では、メーカー(相模屋食料、Mizkan)への実証実験で、豆腐の食品ロス約30%の削減、冷やし中華つゆは食品ロス約20%弱の削減となった。

メーカー(ネスレ日本)と配送会社(川崎近海汽船)との連携により、モーダルシフトにより、貨物1tあたり、CO2約48%の削減となり半年でCO2が98.0tの削減となった。

需要予測の高度化で、SNSデータ・POSデータにより、人口知能(AI)を用いた消費者の購買行動の解析を実施した。

その結果、小売店での全商品の売り上げデータと気象の関係を分析することで、今後需要予測を優先的に進めるべきカテゴリー(飲料・鍋物等)が明確になった。

人工知能(AI)技術を活用した汎用的な需要予測モデルにより、小売店での来店客数予測の精度が従来の解析手法に比べて約20%向上した。

Twitterの位置情報付きツイート情報から、人はどのような気象条件の時に「暑い・寒い」と感じるのかを分析し、より商品の需要に直結する、体感的な暑さ・寒さを表す体感気温を作成した。

2年目となる2015年度は、プロジェクトの参加団体数が初年度の9団体から増え、26団体となった。また、初年度はメーカーの対象商品を3品目に限定していたが、2015年度は8品目に拡大した。

2016年度は、プロジェクトが持続可能な取り組みとなるように事業化を目指し、関係性強化と信頼性向上を図る。

関係性の強化では、2015年度は製造業を中心に実証実験を行ってきたが、2016年度は製・配・販の連携を行い、販売計画の共有・季節商品の終売プロセスの最適化などを行う予定。

信頼性の向上では、 2015年度に開発した人工知能(AI)を用いた需要予測手法をさらに高度化し、小売業の発注業務に生かすなど実際のオペレーションに活用する予定だ。

■プロジェクトの実施体制(2016年3月7日時点)
実施主体:日本気象協会
事業者(本社・本店所在地)(対象商品)
メーカー
相模屋食料(群馬県前橋市)(豆腐)
Mizkan(愛知県半田市)(冷やし中華つゆ・鍋つゆ)
ネスレ日本(神戸市)(ペットボトルコーヒー)
キッコーマン食品(東京都港区)(そうめんつゆ・そばつゆ)
ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)(炭酸飲料)
伊藤園(東京都渋谷区)(麦茶)

卸売事業者
国分グループ本社(東京都中央区)
川崎近海汽船(東京都千代田区)

小売事業者
ココカラファインヘルスケア(横浜市)
国分グローサーズチェーン(東京都中央区)
ローソン(東京都品川区)
バローホールディングス(岐阜県多治見市)
カメガヤ(横浜市)
マルエイ(千葉県市原市)
新日本スーパーマーケット協会(事務局:東京都千代田区)

関連事業者
サントリービジネスエキスパート(東京都港区)
アットテーブル(東京都品川区)
シグマクシス(東京都港区)
あおぞら銀行(東京都千代田区)
イーシームズ(大阪市中央区)
インフォマティカ・ジャパン(東京都港区)
チェンジ(東京都港区)
サン・プラニング・システムズ(東京都中央区)

学術研究機関
国立研究開発法人産業技術総合研究所(東京本部:東京都千代田区)
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立情報学研究所(東京都千代田区)
早稲田大学(東京都新宿区)

委員会に加わっている学識経験者
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科特任教授 張 輝
気象庁気候情報課気候リスク対策官 中三川 浩
テクニカルソリューションズ株式会社代表取締役社長 勝呂 隆男
東京都市大学メディア情報学部情報システム学科教授 大谷 紀子

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