商船三井は9月3日、コンテナ船での風圧抵抗を低減する風防をコンテナ船「MOL MARVEL」の船首部に取り付け、実際の航海でのCO2の削減効果を検証すると発表した。
日本海事協会が産学官と連携して取り組んでいる「業界要望による共同研究」のスキームから研究支援を受け、商船三井テクノトレード、大内海洋コンサルタント、三井造船昭島研究所、東京大学と共同で、コンテナ船における風圧抵抗を低減する風防を開発した。
開発にあたって、風洞試験を通じて船首の空力形状を検討し、風防本体の重量の削減に加えて風圧抵抗の低減効果が最大限得られる様、積載されたコンテナの最前列を囲う馬蹄形デザインを採用した。
風防は日本海事協会が定める波浪衝撃荷重に関する規則に対して十分な設計強度を有し、風防の後方両舷側には整流用コンテナを斜めに配置し船側面を平滑化、さらなる風圧抵抗の低減を実現する。
6700TEU型コンテナ船が北太平洋航路を航海速力17ノット(時速約31km)で航行する場合、年間平均約2%のCO2削減効果を見込んでいる。
風防による荒天航行時の青波の打ち込み対策としての効果も期待されるという。