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投稿/3PLという名の虚像、「3PLの活用法」(最終回)

2012年08月17日/物流施設

3PL話の最後に、3PLの活用法をご伝授いたしましょう。

“あなたが物流事業者なら、販売代行をお願いすること”

マーケットイン・プロダクトアウトという言葉をご存知でしょうか?訳しますと、市場から入り、ものづくりに繋げよという意味になると思います。

これは、市場ニーズを無視してものづくりにこだわるな、それに経営資源を掛け過ぎるなという戒めであります。

それでも物流は、どうしたって現場主義になり勝ちです。ミスを何とかゼロにしたい、ボトルネックを解消して残業時間を減らしたい。その気持ちは良く分かります。

一方で生き残りを懸けて、新規開拓セールスも推進しなければならない。その切実さも痛いほど分かります。

だとしたら提案ですが、新規開拓を他者に委託してはいかがでしょうか?
3PLという他者に委託してはいかがでしょうか。

“あなたが荷主なら、クライアント要件を取りまとめてもらうこと”

コンペやビットをするにあたり、何が要件となっているか、ご存知ですか。把握していますか。モレ無く抽出されていますか。

それからフローチャートは書けていますか?業務構造図は書けていますか?ワークパッケージとかアクティビティとかは、きちんと仕分けされていますか。その望むべきKPIは算出されていますか。

出荷ケース数のエクセル表を作っただけで、信頼のおける物流のパートナーを見つけようだなんて、よっぽどどうかしていると思いませんか。

提案ですが、こうしためんどくさい作業を、誰かにお願いしてはいかがでしょうか。

“それが2者の独善になっていないか、判断してもらうこと”

これは一種のマッチングビジネスなのです。3PLというのは事業者のことですが、その実態は情報仲介を意味しています。というか、ビジネスというのは本来、何かと何かを「マッチング」させるという原理の上に成り立っているのです。

実際、自分だけのものなんて存在しません。自分だけで、まったくの無から何かを生んだ人などいやしません。過去に誰かが作ったものを、少し大きくしたり、小さくしたり、色をつけたり、二個一にしたり。そんな風に、応用したり変化させたりしては稼ぐネタとしてきたのです。

だから、いろいろな物流形態・物流サービスが存在し、物流ニーズをマッチングさせるのに、それはそれで専門知識が要るのです。最適解を導き出すのは一種の芸です。

そしてその解が、ほんとうに消費者や最終ユーザーや、世の中に、正しいものを提供しているのかを検証する必要があるのです。それを誰が担うのでしょうか。

別の観点から言わせて頂けるなら、私たちには真の3PLを育てる義務もあると言えるのではないでしょうか。美味しいラーメン屋はお客によって作られるというのが真理なように。(終わり)

■執筆:江島裕氏(ロジスティクス&ビジョン代表)
20120814ejima2 - 投稿/3PLという名の虚像、「3PLの活用法」(最終回)

■ロジスティクス&ビジョン
http://www8.plala.or.jp/logivision/index.html

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