日本貨物鉄道が5月12日に発表した4月の輸送動向によると、コンテナ貨物の輸送実績は147万トン(前年同月比18.3%減)、車扱は76万トン(19.4%減)となった。
東日本大震災により、不通となっていた東北線は21日に全線で復旧し、41日ぶりに運転再開となった。同様に不通になっている常磐線は福島第一原発の事故に伴い、復旧の目途はたっていない。また、被災した臨海地区の一部貨物駅では取り扱いが不能となっており、月全体では高速貨1282本、専貨84本が運休となった。
荷動きでは、震災による輸送障害と製造業各社の被災に伴う減産により、大きく減送となった。しかし、西日本地区から被災地へ向けた食糧・飲料水等の輸送が活発に行われた。
コンテナ貨物は紙・パルプ、自動車部品などほとんどの品目が前年を下回り、全体では前年比18.3%減となった。紙・パルプは東北地区の生産拠点の被災により、操業停止が続いており、大幅な減送となった。
車扱貨物は、セメント・石灰石が前年を上回ったものの、石油が前年を大幅に下回り、全体では昨年比19.4%減となった。石油は仙台・千葉の製油所の被災、線路の不通、さらに価格高騰に伴う需要減により、大幅な減送となった。